糖尿病内科 | 八尾市桜ヶ丘 小川内科・糖尿病内科クリニック | 近鉄「八尾」駅 桜ヶ丘クリニックビル3F

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糖尿病内科

糖尿病は、高血糖が慢性的に続く病気です。高血糖が続くと、血管をはじめとする全身の組織に様々な悪影響が及んできます。
運動不足になりがちなライフスタイルや食生活の変化から、糖尿病の患者数は増加し続けており、糖尿病予備軍も含めると日本国内の患者数は2,000万人以上と言われています。

糖尿病の原因

血糖を下げるホルモンであるインスリンの作用不足です。作用不足の原因は以下の二つが考えられます。

  • ・インスリン分泌能低下:インスリンをつくる膵臓の細胞からのインスリン分泌が減ってしまう
  • ・インスリン抵抗性:肝臓、筋肉、脂肪組織などにおける、インスリンの効きが悪くなること

糖尿病の症状

喉が渇く、疲れやすい、体重減少などと言われていますが、一般的には自覚症状は出にくく、合併症が進行してから慌てて医療機関に受診する方がたくさんいらっしゃいます。

糖尿病の分類

ボタンをクリックしていただくと
詳しい説明がご覧いただけます。

  • 1型糖尿病(膵臓の細胞が壊れ、インスリンが分泌されなくなるタイプ)
  • 2型糖尿病(主に生活習慣の乱れが原因となるもので、日本人に最も多いタイプ)
  • 2次性糖尿病(他の病気が要因となって起こってくる糖尿病)
  • 妊娠糖尿病(妊娠中に血糖値が高くなったり、初めて高血糖が発見されたりしたもの)
  • ・その他の糖尿病(遺伝子異常やその他の疾患等に伴うもの)

糖尿病の合併症

三大合併症を引き起こします。

  • ・神経障害(手足のしびれ、壊疽):治療として指や足を切断する場合もあります。
  • ・網膜症(▶失明):失明の原因第2位が糖尿病です。
  • ・腎症(▶蛋白尿▶浮腫▶透析):透析の原因第1位が糖尿病です。

また、糖尿病によって動脈硬化が進行すると、脳梗塞や心筋梗塞などを発症するリスクが高くなります。

糖尿病の治療

食事療法と運動療法が糖尿病治療の基本です。これらを2〜3ヶ月続けても治療目標が達成出来ない場合に、内服薬やインスリン製剤などを使います。新規薬剤もたくさん開発されてきていますので、ご自分の状態に合った薬を選択する必要があります。

1型糖尿病

1型糖尿病とは
インスリン(血液中の糖を組織に取り込ませ、血糖値を下げる働きをしている体内ホルモンの一種)を産生する膵臓の細胞(膵β細胞)がある時から壊れていき、インスリンが分泌されなくなってくる疾患です。若いうちに発症することが多く、子どもにも少なからず発症がみられます。
1型糖尿病の症状
1型糖尿病は急激に発症し、病状の悪化も急速なのが特徴的です。
1型糖尿病では、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌が極端に低下するか、またはほとんど分泌されなくなるため、血中の糖が異常に増加し、糖尿病性昏睡などの重篤な症状を引き起こしかねない状態になります。
1型糖尿病の原因
原因ははっきりとは解明されていませんが、免疫系の異常反応により、自らの細胞が攻撃される「自己免疫」によるものと考えられています。肥満は特に関係ありません。
1型糖尿病の治療
1型糖尿病の治療は、インスリン注射により、インスリンを適切に補充することです。インスリンの補充によって血糖値をコントロールしていけば、発症前と同様の生活を送ることができます。
また現在、インスリン補充以外の治療法としては「膵臓移植」もあります。さらに先進的な医療としては「膵島移植」や「人工膵島」、さらには再生医療や遺伝子治療などの研究も進められています。

2型糖尿病

2型糖尿病とは
生活習慣による影響が強く、日本人に一番多くみられるタイプの糖尿病です。加齢や遺伝的要因のほか、食べ過ぎや運動不足、肥満、ストレス、妊娠などが要因となります。なかでも食べ過ぎと運動不足による肥満は、2型糖尿病の最大の引き金と言われます。日本における糖尿病患者の95%以上は、2型糖尿病です。
2型糖尿病とは、体を動かすエネルギー源であるブドウ糖を細胞がうまく取り込めなくなって、未処理の糖が血液中に溢れてしまう病気です。
健常な人なら、インスリンがしっかり働き、血液中のブドウ糖を細胞に送り込んでエネルギー源にしたり、あるいは脂肪やグリコーゲンという物質に変えて筋肉や肝臓に蓄えたりします。このインスリンの分泌が足りなくなったり(インスリン分泌不全)、足りていてもうまく細胞に作用しなくなったりした状態(インスリン抵抗性)が2型糖尿病の本態なのです。重度になってしまうと、血糖コントロールが難しくなってきますし、合併症も招きやすくなりますので、早期に発見し、治療を開始することが大切です。
2型糖尿病の検査

糖尿病の診断にあたっては、血液検査や経口糖負荷試験などによる慢性高血糖の確認、および症状、臨床所見、家族歴、体重歴などを参考にして、医師が総合的に判断します。
また、糖尿病は初期のうちは自覚症状がほとんどありませんので、患者さんの病状を把握するためには血糖やHbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー)*の値を定期的に検査していく必要があります。当クリニックでは迅速に測定が可能な検査機器を導入しております。

*HbA1cとは
血糖値が高くなると、ブドウ糖が赤血球中のヘモグロビン(Hb)と結合します。これがHbA1cと呼ばれるもので、血糖値が高ければ高いほど、この値も高くなります。ヘモグロビンの寿命が約4ヶ月であるため、HbA1cは過去1~2ヶ月における血糖の平均的な状態を示すと考えられています。HbA1c値は糖尿病治療において最も大切な管理指標となっており、合併症の進行との関連性も深く、7.0%未満(国際標準値)が一応のコントロールの目安となります(※患者さんの具体的な数値目標は、年齢や罹病期間、臓器障害の有無などによって異なってきますので、各自で主治医にご確認ください)。

2型糖尿病の治療

糖尿病は現在のところ完治させることはできませんので、一生つき合ってく必要があります。しかし、悲観することはありません。糖尿病そのものは治せなくても、血糖値を正常に保ち、それと同時に体重や血圧、血中脂質も良好な状態に保てば、糖尿病による合併症、すなわち糖尿病細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)や大血管障害(冠動脈疾患、脳血管障害、末梢動脈疾患)を起こさずに、あるいは進展を阻止して健康を保持することは十分に可能です。そして、健常者と変わらない日常生活の質(QOL)の維持、および寿命の確保もできるようになるのです。
そして血糖値を正常に保つ上で重要になるのが、継続的な「血糖コントロール」です。医師の指導のもと、まずは食事療法と運動療法を行います。これだけで正常値になる患者さんもいらっしゃいます。糖尿病が進行したケースだったり、食事・運動療法だけでは血糖値がうまく下がらなかったりするような場合には、内服薬による治療やインスリン療法*を行うことになります。

*インスリン療法とは
注射により体外からインスリンを補って、健常者の血中インスリンの変動をできるだけ忠実に再現する治療法です。誤解が少なくないのですが、インスリン療法は糖尿病の最終的な治療手段というわけではありません。昨今、良好な血糖コントロール状態を保ち、合併症を防ぐために、また患者さんの膵臓を保護するために、糖尿病治療の比較的早い段階から開始するケースが増える傾向にあります。

2次性糖尿病

2次性糖尿病とは
1型・2型糖尿病のほかに、「2次性糖尿病」というタイプもあります。
2次性糖尿病は、他の病気が要因となって起こってくる糖尿病です。つまり、何か基礎疾患があり、その疾患のせいで糖尿病になってしまうタイプです。そうした疾患には様々なものが知られていますが、内分泌疾患、肝疾患、膵疾患などのほか、こうした疾患の治療に用いられる薬物(ステロイド等)による副作用なども原因になります。
2次性糖尿病の治療
2次性糖尿病では、糖尿病の治療と並行して、大元になっている基礎疾患を治療する必要があります。基礎疾患が改善してくれば、多くは糖尿病の状態も安定し、適正な血糖コントロールが可能になります。

妊娠糖尿病

妊娠糖尿病
妊娠中に血糖値が高くなったり、初めて血糖値が高い状態が発見されたりしたケースを「妊娠糖尿病」と言います。
妊娠糖尿病の原因

妊娠時には、血糖値を上げやすいホルモン(インスリン拮抗ホルモン)が胎盤で産生されます。そのため、妊娠中期以後にインスリンが効きにくい状態になり(インスリン抵抗性)、血糖値が上昇しやすくなります。
正常な妊婦さんでは、インスリン抵抗性になる時期には、膵臓からたくさんのインスリンを分泌して血糖値を上げないように調節します。しかし、必要なだけのインスリンを分泌することができない体質の妊婦さんでは、血糖値の上昇をきたします。
下記のような場合には、血糖値が上昇しやすいと言われています。

  • 体重が重い
  • 両親や兄弟姉妹に糖尿病の既往がある
  • 尿糖が陽性
  • 先天奇形や巨大児の出産歴がある
  • 流産や早産歴がある
  • 35歳以上

また、妊娠中に検査をして、血糖値の高いことが初めてわかることもあります。特にインスリン抵抗性の無い時期(妊娠初期)に判明した場合には、妊娠前から血糖値が高かった可能性が強いと考えられます。

妊娠糖尿病の症状
妊娠中に血糖値が高い場合には、母体だけでなく、胎児にも様々な影響が出てきます。母体には早産、妊娠高血圧症候群、羊水過多症、尿路感染症が、胎児には巨大児、新生児の低血糖が起こりやすく、子宮内で胎児が死亡することもあります。さらに、妊娠前から血糖値が高かった可能性の強い場合には、流産しやすく、また生まれてきた子どもが先天奇形を合併しているケースもあります。
妊娠糖尿病の検査と診断
妊娠糖尿病のスクリーニングは、妊娠初期から開始します。食前・食後を問わず測定した「随時血糖値」が100mg/dL以上、または妊娠中に血糖値が上昇しやすい体質がある場合には「75gブドウ糖負荷試験」を行い、結果が異常だったら治療を開始します。
異常が無い場合には、妊娠中期に「随時血糖値」を再度測定して100mg/dL以上の場合、または「50gGCT(グルコース・チャレンジ・テスト)」で1時間値が140mg/dL以上の場合には、ブドウ糖負荷試験を行います。
妊娠糖尿病は「75gブドウ糖負荷試験」の結果、負荷前100mg/dL以上、負荷後1時間180mg/dL以上、負荷後2時間150mg/dL以上のうち、いずれか2点を満たした場合に、その診断がつけられます。
妊娠糖尿病の治療法
治療は食事療法から開始しますが、血糖値が非常に高い場合にはインスリン療法が必要です。出産後に血糖値は改善することが多いのですが、妊娠前から血糖値が高かったと考えられる妊婦さんでは、分娩後も治療を続けます。
妊娠中に血糖値が高くなった女性は、将来的に糖尿病になりやすい傾向がありますので、出産後も時々血糖値を測定し、高血糖の早期発見・早期治療を心掛けます。
また、日頃から血糖値が高めの女性は、妊娠前に血糖値を測定し、高かった場合には治療を行い、改善してから妊娠するのが、生まれてくる赤ちゃんのためにも大切です。